【2018年9月3日公開2023年11月加筆修正】
めもりぃオブ昭和にお運び戴き有難う存じます✨
今回はナゼかキニなる『エイリアン通り』のお話です。
よろしくお願い致します。
『エイリアン通り』とは
『エイリアン通り』(エイリアンストリート)とは、白泉社から発行されている漫画雑誌『LaLa』誌上に、昭和55年から昭和59年(1980年から1984年)にかけて連載された、成田美名子による漫画作品。
単行本は全8巻、文庫版全4巻↓
『エイリアン通り』あらすじ
物語の舞台は、80年代前半のロサンゼルス。
4年飛び級をした頭脳明晰、容姿端麗の大学生”シャール”と、ビバリーヒルズの彼の豪邸に転がり込んできた、フランス人留学生”ジェラール”、シャールの同居人で日本人の”翼”、イギリス人執事の”バトラー”、シャールのいとこでアラビア人の”ナーディア”とシャールの世話係?”セレム”を中心とした、笑いあり、涙ありの青春ストーリー。
主人公シャールの出自がナゾだったり、宝探しをしたり、映画に出演したり、事件にまきこまれちゃうようなミステリーもあったりバラエティーに富んだ内容で、あらすじの説明が一筋縄では(一筋縄?)出来ません💦
主要登場人物の心の成長が主軸で描かれていると思うので、青春群像劇、青春ストーリーかな、と。
特徴的なのは、各話タイトルが名作映画のタイトルを捩ったモノとなっていること。
第1話 真夜中のカーボーイ
第1話は「真夜中のカーボーイ」元ネタは「真夜中のカウボーイ」↓
内容は「真夜中のカウボーイ」とは全く違う(と思います💦「真夜中のカウボーイ」は観たはずですが覚えておりません)物語ですが、カーチェイスが繰り広げられるシーンがありますので、カーボーイ→カウボーイ?
内容は、シャールとジェラールの出会いがメインですが、ビバリーヒルズの豪邸に住む美少年(=シャール)や、元ハリウッド女優のパーティ、セリフの中には沢山の映画ネタ、洋楽ネタが盛り込まれていて、ワクワクし通しでした。特にギャグセンスがモロに私のツボ。
第2話 アラビアより愛をこめて
第2話は『アラビアより愛をこめて』元ネタは007シリーズ「ロシアより愛をこめて」↓
私は007は2作くらいしか拝見しておらず、「ロシアより愛をこめて」も未見。
第2話は、アラビアからシャールのいとこナーディアがやってきて、宝探しに出かけるお話。
これもロマンがあって、神秘的で、めちゃくちゃ面白かった!
ちょっと話が逸れますが、007と言えばこちら↓の作品も原題は007シリーズを捩ったモノ。www.nazekini.com
第3話 夜ごとの魔女
第3話『夜ごとの魔女』元ネタ「夜ごとの美女」↓
不勉強でして、この作品に関しては未見な上に何もわからず💦
フランス映画ですが、エイリアン通りの第3話中にフランスは出てきません。しかし、なんとシャールが誘拐されてしまうお話でスリリング。
誘拐されたシャールが砂漠で飲み水を得る方法を実践?したり、”ツボ”に詳しかったり、サバイバル術というか、ライフハックというか、成田美名子の知識の豊富さにも痺れる話でした。
でもちょっとこの辺りからお説教臭い青春の心の葛藤と成長物語的空気が漂い始めてきます。
第4話 略奪された1人の花嫁」
第4話『略奪された一人の花嫁』元ネタは「略奪された7人の花嫁」↓
こちらはミュージカル映画のようですね。
第4話はミステリー。
舞台を日本に移し、スリルとサスペンスとお笑い(?)に満ちた物語。
しかし切なく哀しい物語でもあり、当時中学生だった私には大人っぽい内容でしたがハマりました。
1982年の『LaLa』7月号から10月号に掲載された作品です。
第5話 鷹は舞い降りた
第5話『鷹は舞い降りた』元ネタは「鷲は舞い降りた」↓
イギリスの冒険小説を元にした映画だそうです。
シャールの世話役(シャールのお父さんの秘書)セレムが、飛行機事故に遭い行方不明となるお話ですが、セレム目線の物語進行(ん?)
このお話辺りで私はエイリアン通りから離れてしまったんですよね💦
セレムが嫌いだったというのではなく、むしろセレムは人気のキャラクターで主役になるのも頷ける。
しかし、
「いつかは離れてしまうなら仲良くならない方がいい」
「あいつらにとってオレは必要な存在か?」
というような面倒臭いお話が苦手で💦💦
いや、わからなくはないんですが、当時の私はエイリアン通りにはパーッとした景気良さを求めていたので。
後述しますが、他の理由も(そっちの方が大きい)あって、当時は単行本4巻まででエイリアン通りの購入は止まっちゃいました。
第6話『親父が出てきた日』元ネタ「魚が出てきた日」え?魚?↓
ギリシャ・イギリスの映画。こんなに知らない元ネタだらけとは。
もう少し知っているタイトルがあったと思いましたが、記憶とは実に曖昧なものですね。
さて、第6話はシャールの同居人ジェラールの親父とシャールの親父の対決(対決?)
ジェラールの親父さんはジャーナリストでいよいよシャールの出自に関わる展開へと進みます。
第7話 この家の鍵貸します
第7話『この家の鍵貸します』元ネタ「アパートの鍵貸します」↓
ジャック・レモン、シャーリー・マクレーンのアカデミー賞受賞作品。なので存じておりますが未見。
成田美名子作品『みき&ユーティ』の登場人物ルシフィンが登場。
ルシフィンは第2話にもチラッと出てきていまして、その時のことが元でシャールはルシフィンの印象が悪く、2人の仲はぎくしゃく、すれ違いもあったりでなかなかうまくいきません。
最終話 翼よあれがロスの灯だ
最終話『翼よあれがロスの灯だ』元ネタ「翼よ!あれが巴里の灯だ」↓
リンドバーグの著書が原作「翼よ!あれが巴里の灯だ」は、50代になってから観ましたので、まだなんとか記憶に新しく。劇中「翼よ!あれが巴里の灯だ」というセリフは出てきませんでしたが、これはかなり感動しました。
主演のジェームス・スチュアートが25歳のリンドバーグ役を演じられたのですが、なんと当時47歳だったというからオドロキ、ちゃんと25歳の若者(当時のね)に見えるから、俳優さんてコワいw
もとい。
エイリアン通り最終話は『翼よあれがロスの灯だ』ということで、シャールに恋する少女翼くんのお話。
まあシャールも翼にきゅんです♡
なんですけれども、実は翼は家出少女なので、親元に帰る云々と、単純にはお話が進まない━。
ってなわけで、ラストは少女漫画らしいオチだった『エイリアン通り』
全員、一時的にシャールの家に間借りしているわけで、いつかはシャールの家を出て行く、それはシャール自身でさえも。
でも今は仲間だよね、という雰囲気で終わります。
続編はありませんが、番外編でシャールが”出演”した映画”フェリシア”の物語が文庫版に収録されています。
以下ネタバレ
↓ ↓ ↓
主人公シャールは王族で、ズバリ王子様。
それが兵器にされようかと言うカビを創っちゃう?ような天才的頭脳と、誘拐されても相手を倒せちゃうような武力(武力?)を兼ね備え、はたまた美貌を生かして女装して映画出演しちゃうという、まさに少女の夢を詰め込んだようなキャラクターです。
また『シャール通信』というコーナーがあり、ファッション雑誌『流行通信』の表紙を捩ったネタ(ネタ?)が描かれていました。
その影響もあり、『流行通信』も買いました(笑)
後にちゃんと仕事に役立ったのでスゴイ、ありがとう『エイリアン通り』ありがとう『シャール通信』!
『エイリアン通り』との出会い
私が『エイリアン通り』を知ったのは、
と、書き始めたものの、はて?
覚えているのは『エイリアン通り』の絵柄、特にカラー絵が好きだったのと、単行本の巻数を表す数字がローマ数字だった(初期に発行された第3巻まで)のがカッコいいと思い、すでに出ていた単行本第2巻までをまとめて買ったこと。
特に好きだった2巻の表紙↓
同時期に『LaLa』を毎月買い始めているので、『LaLa』で観て知ったのかとも思ったのですが、最初に購入した『LaLa』に『エイリアン通り』の本編が載っていないところをみると、どうも単行本を先に買っているようです。
単行本といえば、『エイリアン通り』をきっかけに、成田美名子作品の『あいつ』『みき&ユーティ』シリーズを買い集めました。
画像引用元Amazon
『エイリアン通り』は、単行本第4巻までは発売を待ち構えて購入していたのですが、その後は購入しておらず。
恐らくバンド活動を始めたため、漫画を買う余裕がなくなったのだと思います。
結局、中途半端なまま手元にあった単行本も金策のため(あ)、他の漫画や本とともに手放してしまいました。
手放した時には、大人、それも老齢になってから漫画をみるとは思っておらず、今となっては実にもったいないことをしたなあ、と思っております。
I LOVE MANGA.
でも当時はいいお値段で引き取ってくれたんですよね(ぼそ)
ナゼかキニなる『エイリアン通り』
50を過ぎてから買い集めている漫画のほとんどは、過去に手放しもう一度観たくなった漫画作品。
しかし『エイリアン通り』に関しては、
「持っていたなあ」
という青春の思い出の1ページ、正直なところ買戻し熱盛んな頃にすぐには思い浮かびませんでした💦
それがある日突然、本当に唐突に、ナゼかキニなり。
ナゼかキニなることを、そのままにしておかないと決めたので、購入するに至りました。
『エイリアン通り』、電子書籍化されているのは文庫版のみのようで、文庫版1冊につき、単行本2冊分の物語が収録されています。
私が特にキニなったのは文庫版第2巻。
単行本では第3巻、4巻にあたる部分です。
先述した通り、単行本は第4巻までは持っていたので、覚えていてもよさそうでしたが、ナゼキニなるのか自分でも全くわからず読み進めていてビビッときたのは、121ページのひとコマ。
セレムのセリフ↓
「彼もあなたも
宇宙という
大きな生き物の
一部であり
宇宙を構成する
細胞の一つなんです」
「ですから
一人の人間の
頭の中の自我というのは表面だけで
深いところでは
宇宙という根で
誰もがつながって
いるわけです」
『エイリアン通り』第2巻121ページより
第二の思春期と言われる更年期になって読んできた本に、やたら”繋がってる”というキーワードが出てくるので、とても意識しているのですが、なんと、ホントの思春期にコレをみていたとは。
それで呼ばれたのか、なんて思っていたのに、すぐに日常生活の雑多なことにかまけて忘れておりましたら、今度は1982年の『LaLa』がナゼかキニなってしかたない。
『LaLa』に関して言えば、数年前からどうしてもみたくなって、2018年に入ってついにまんだらけ通販で3冊購入。
その時に、欲しかったけれども手に入らなかった号を含むセット売りをみつけてしまい、すでに買ったものとのダブりがあるし、等々、買わない理由をいろいろ挙げてみても、ナゼかキニなる。
結局信念に従い購入、届いて最初に手に取った1月号の『エイリアン通り』の、何気なく開いたページがセレムのあのセリフのシーン。
証拠?写真↓『LaLa』1982年1月号73ページより
まさに「呼ばれた」としか思えない出来事でした。
【2023年11月追記】
つい数日前、やはり成田美名子作品『あいつ』がナゼかキニなると観て、扉部分、つまり本編と関係ない部分でナゼか涙がでてきました。
更年期のホルモンバランスの乱れのなせる業なのか、しかしその後スッキリとした気持ちになったので、成田美名子作品を読み返すことは更年期の体にいいような気がしています。
※以上全て敬称略
最後までお読み戴き
ありがとうございました🍀